線路逃走の警官「盗撮他に十数回」供述 福岡県警

北九州市のJR鹿児島線スペースワールド駅で11月、列車内での盗撮を疑われた男がホームから線路に飛び降りて逃走した事件で、福岡県警は21日、男は北九州市警察部機動警察隊の巡査部長(38)で、同日付で県迷惑防止条例違反(盗撮)容疑で書類送検したと発表した。また博多署の男性巡査(21)について、福岡市内の独身寮で同僚3人から計3万6千円を盗んだとして窃盗容疑で書類送検するとともに、2人を停職3カ月の懲戒処分にした。2人は同日付で依願退職した。

 巡査部長の送検容疑は11月28日朝、博多発小倉行きの普通列車で、50代女性のスカート内をスマートフォンで盗撮した疑い。容疑を認め「盗撮サイトを見て興味を持った。(盗撮は)昨年末から十数回程度やった」と供述しているという。

 県警監察官室によると、巡査部長は女性から盗撮被害を訴えられ、スペースワールド駅で降車させられたが、駅員に引き渡される際にホームから飛び降りて線路内を約1キロ逃走。その後、帰宅して病気を理由に欠勤し、翌29日に上司に電話で「逃走したのは私」と伝え、出頭したという。

 巡査部長が線路内を逃走した影響で上下線に遅れが出ており、県警は立件を検討したが、威力業務妨害罪などには当たらないと判断。同室は逮捕しなかった理由を「自ら犯行を申し出て、証拠隠滅の恐れがなかったことなどを総合的に考慮した」と説明した。

 県警では今年に入り、不祥事が続出。懲戒処分者は23人(18件)に上り、ここ10年間で最多。

=2017/12/22付 西日本新聞朝刊=